- 06.虫歯予防 ~用具あれこれ~
- 05.歯磨き大作戦
- 04.顎関節症
- 03.唾液の働き
- 02.むし歯になりやすい人って?
- 01.バイオフィルムとは?
むし歯になりやすい人って?
しょっちゅう食べている人は危ない
食事の回数とむし歯にどんな関係があるのかと不思議に思うかもしれませんが、食べ物に含まれている糖が口の中に入ると、口の中のミュータンス菌は糖を取りこんで酸を作り出します。
そのため、歯の組織からミネラル(リンやカルシウム)が酸によって溶かされます。これを「脱灰(だっかい)」といいます。
しかし、唾液が十分に分泌されていると、酸を洗い流し、中和してくれます。しかも、唾液に含まれているカルシウム、リン酸、フッ素イオンを使って、「再石灰化」を助けます。
わかりやすくいえば、歯も皮膚のように、古い表面がはがれ(脱灰)、新しい表面ができる(再石灰化)という新陳代謝をくり返していて、それを唾液が助けているのです。
ところが、飲食の回数が多いと、頻繁に入ってくる糖のおかげで、脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、大きく脱皮に傾いてしまいます。口の中のむし歯菌も、糖とくっついてどんどん歯にはりついていき、バイオフィルムをつくっていくのです。とくに寝る前に食べるのは絶対にやめましょう。
対策1
だいたい決まった時間に食事をとるようにしましょう。だらだらと時間を決めずに間食をとるのはもっともよくありません。特に、寝る前に甘い物(飲み物も含めて)をとるのは絶対にやめましょう。歯を護るだけでなく、肥満防止にも役立ちます。
対策2
甘いものが大好きはやっぱりダメ。ミュータンス菌が歯にくっつくようになるには砂糖と出会う必要があります。
砂糖の摂取量が多いということは、ミュータンス菌がどんどんくっついて、バイオフィルムが増えます。
そして、いったんバイオフィルムができると、ミュータンス菌はバイオフィルムのもとになっているネバネバ(グルカン)を分解して、それをえさにして乳酸をつくり続けることができます。そうなると、それ以上砂糖が入ってこなくても、むし歯をつくり続けてしまうのです。
他の多くの糖と砂糖が違うのは、このグルカンをつくりだす働きと、バイオフィルムの中で乳酸をつくりつづける働きの両方を引き出す力をもっていることです。
むし歯をつくる悪の二大巨頭が砂糖とミュータンス菌ですからこの二大巨頭が手を組まないようにしなければなりません。
できるだけ砂糖の摂取量を減らす事です。甘いものをたべていないつもりでも、缶コーヒーや清涼飲料水を飲んではいませんか?
私たちが思っている以上に多くの糖分が含まれています。