- 06.虫歯予防 ~用具あれこれ~
- 05.歯磨き大作戦
- 04.顎関節症
- 03.唾液の働き
- 02.むし歯になりやすい人って?
- 01.バイオフィルムとは?
虫歯予防~用具あれこれ~
口の中の細菌は束になってかかってくる
虫歯の予防には個人の努力が必要なことはいうまでもありません。まず、歯磨きです。
食べものに含まれた糖(砂糖)がミュータンス菌にとり込まれて、バイオフィルムが作られるまでに18時間以上かかります。ですから、1日1回でもいいから、しっかり時間をかけて歯の汚れを落とすことを心がけましょう。手鏡を見ながら磨き残しがないように、夜、寝る前には20分くらいはかけてほしいものです。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスを使って歯と歯の間の汚れも落としましょう。歯と歯の間は歯ブラシの先も届きにくく、汚れが残りやすいところです。歯と歯の間の虫歯は検診でも発見しにくいので、発見したときにはかなり進行していることも多いようです。デンタルフロスを使ったことがない人が多いかもしれませんが、歯周病予防にも欠かせない道具です。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスを使って歯と歯の間の汚れも落としましょう。歯と歯の間は歯ブラシの先も届きにくく、汚れが残りやすいところです。歯と歯の間の虫歯は検診でも発見しにくいので、発見したときにはかなり進行していることも多いようです。デンタルフロスを使ったことがない人が多いかもしれませんが、歯周病予防にも欠かせない道具です。
すべての歯の間を掃除していくと、デンタルフロスに黄色い汚れがついたり、歯と歯の間に挟まっていた食べもののかすなどが取れ、びっくりするはずです。
最初は使いづらいかもしれませんが、慣れればむしろ、しないと気持ち悪いくらいです。うまく使いこなせない人は、ハンドル付フロスを使うといいかもしれません。
歯と歯の間にかなり隙間がある場合は歯間ブラシを用いたほうがよいでしょう。歯間ブラシも太さがいろいろありますから、歯の隙間に合う太さを選びましょう。
基本的な食べ物による歯の汚れは、唾液が十分に出ていれば落とせます。ただ、歯と歯の間の汚れはとれません。ですから、歯ブラシよりむしろデンタルフロスや歯間ブラシのほうが重要だといえます。
最近キシリトールガムが普及していますが、キシリトールは白樺や樫の木から生成される糖アルコールで、砂糖に近い甘味を持つ天然の甘味料です。ミュータンス菌が乳酸を作り出すときのえさにならないので、虫歯の原因になりにくく、長期的にとると、ミュータンス菌の数を減少させることも観察されています。
しかし、これさえとっていれば虫歯にならないというものではありません。フッ素と同じように補助的に使うものとして位置付けてほしいと思います。
すでに入れ歯(義歯)の人は、入れ歯が合わないと周囲の歯や歯茎に傷をつけ、歯周病を悪化させることもありますから、義歯の調整をしてもらうという意味でも検診が大切です。また、義歯には大量のバイオフィルムがつきますから、毎日掃除する必要があります。毎晩寝る時は必ず義歯をはずして水の中に入れましょう。
年をとっても健康な生活を
日本は世界の中でも一番の長寿国です。しかし、いくら長生きしても不健康な生活では楽しくありません。そこで、厚生省(現在の厚生労働省)と日本歯科医師会は平成元年に『8020運動』という運動を提唱しました。これは『80歳になっても20本の歯を保とう』という運動です。
80歳になっても20本の歯があれば、ほとんどの食べ物を噛み砕くことができて、おいしく食事ができるからです。これは健康で楽しい生活にもつながります。
現在、80歳の1人平均の歯の数は約10本で、20本以上歯がある人の割合は21.1%です(平成17年歯科疾患実態調査より)。
だまだ8020運動が達成されたとはいえませんが、運動が始まって以来、20本以上歯が残っている人の数はふえているようです。